LINE公式アカウントを運用していると、次のような悩みが出てきます。
- 友だちは増えたのに、全員に同じ内容を配信するしかない
- アンケートで集めた情報が活用できていない
- お客様ごとの興味や状況に合わせて案内したい
- ステップ配信やタグ管理を、もっと実務的に使いたい
こうした課題に対応するために登場したのが、LINE公式アカウントのCRMオプションです。

CRMオプションを使うと、LINE公式アカウント上で顧客情報を管理し、属性・タグ・アンケート回答などをもとに、一人ひとりに合わせた配信や自動フォローを行えるようになります✨️
ただし、先に結論を伝えると、CRMオプション自体は無料ではありません。
一方で、LINE公式アカウント本体が無料のコミュニケーションプランでも契約できるため、無料プランだからCRMオプションを使えないわけではありません。
公式LINEのCRMオプションとは?

LINE公式アカウントのCRMオプションは、友だち追加後に取得した属性情報、アンケート回答、タグ、メモなどを顧客ごとに整理し、その情報を配信や自動化に活かせる機能です。
従来のLINE公式アカウントでも、年齢・性別などの属性や配信への反応をもとにした絞り込み配信はできます。
しかし、誰がどのアンケートに回答したのか、どの商品に興味を持っているのか、どんな悩みを抱えているのかといった情報を、顧客単位で継続管理するには限界があります。
CRMオプションでは、顧客情報をユーザーごとに紐づけて管理できるため、LINEを単なる一斉配信ツールではなく、顧客管理と販促を一体化させる仕組みとして活用しやすくなります。
通常のLINE公式アカウントとCRMオプションの違い
通常のLINE公式アカウントでも、友だち全体の傾向や配信のクリック状況は確認できます。
ただし、アンケートで取得した回答を顧客ごとに整理したり、Excelで管理していた顧客情報をLINE上に集約したり、回答内容をきっかけに自動で案内を送ったりするには、手作業が増えやすくなります。
CRMオプションを導入すると、次のような運用が可能になります。
| 項目 | 通常のLINE公式アカウント | CRMオプション |
|---|---|---|
| 顧客情報の管理 | 全体傾向の把握が中心 | 顧客ごとの情報を管理 |
| アンケート回答 | 手動での整理が必要になりやすい | 顧客情報として自動反映 |
| 配信の絞り込み | みなし属性・クリック反応などが中心 | 属性・タグ・回答内容を活用 |
| 配信の自動化 | スケジュール配信・ステップ配信が中心 | タグや誕生日、回答などを起点に自動化 |
| チャット管理 | 保存期間・タグ・ノートに上限あり | チャットProオプション相当の機能も含まれる |
CRMオプションの価値は、配信機能が増えることそのものではありません。
お客様の情報を蓄積し、その情報を次の案内や接客に活かせる点にあります。
CRMオプションで使える主な機能
- ユーザーリスト
- フォーム
- ユーザーリスト配信
- オートメーション
- チャットProオプション
ユーザーリスト
ユーザーリストは、LINE公式アカウント上で顧客情報を一元管理できる機能です。
友だち追加時の情報、フォーム回答、タグ、メモ、チャット履歴などを顧客ごとに確認できます。
たとえば整体院であれば、肩こり・腰痛・産後ケアなどの悩み別にタグを付けて管理できます。
学習塾なら、学年・苦手科目・受講目的ごとに情報を整理し、必要な案内だけを届けられます。
フォーム
フォームは、顧客情報を取得するためのアンケート機能です。
LINE上で回答してもらった内容を顧客情報として蓄積し、回答内容に応じてタグを付けたり、次の配信を分岐させたりできます。
ユーザーリスト配信
ユーザーリスト配信では、性別・年齢・地域・タグ・顧客情報などをもとに、届ける相手を絞ってメッセージを配信できます。
全員に同じクーポンや案内を送るのではなく、興味がある人にだけ必要な情報を届けられるため、配信の無駄やブロックのリスクを抑えやすくなります。
オートメーション
オートメーションは、特定の条件をきっかけにメッセージを自動送信できる機能です。
たとえば、次のような使い方ができます。
- 誕生月になった人へバースデークーポンを送る
- フォーム回答後に、回答内容に合わせた案内を送る
- 特定のタグが付いた人へ、数日後にフォロー配信を送る
- 体験予約後に、入会案内やよくある質問を送る
手動で送ると漏れやすいフォローを仕組み化できるため、少人数で運用している店舗や事業者ほど相性がよい機能です。
チャットProオプション
CRMオプションには、チャットProオプションも含まれています。
チャット履歴の保存期間拡張、タグやノートの上限拡張、チャット管理の効率化など、LINEでの個別対応を実務的に運用しやすくなる機能です。
CRMオプションは無料プランでも使える?
結論として、LINE公式アカウントが無料のコミュニケーションプランでも、CRMオプションの契約は可能です。
ただし、CRMオプション自体は月額5,000円(税別)かかるため、完全無料で使えるわけではありません。
料金の考え方は、次のとおりです。
| LINE公式アカウントのプラン | 基本料金 | CRMオプション料金 | 月額合計の目安 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 5,000円 | 5,000円 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000円 | 10,000円 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 5,000円 | 20,000円 |
※すべて税別です。
コミュニケーションプランは月額無料ですが、無料メッセージ数は月200通までです。
友だちが100人いる場合、全員配信を月2回行うと上限に達します。
CRMオプションで配信精度を高めても、そもそもの配信可能通数が少なければ活かし切れません。
友だち数や配信頻度を見ながら、LINE公式アカウント本体のプランも判断しましょう。
CRMオプションの料金
CRMオプションの料金は、月額5,000円(税別)です。
初期設定に不安がある場合は、任意で初期サポートも申し込めます。
| 項目 | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| CRMオプション | 月額5,000円 | 顧客管理・フォーム・配信・自動化・チャットProを含む |
| 初期サポート | 20,000円/1回 | 初期設定の代行サポート |
初期サポートでは、フォーム1件、最大15件のオートメーション設定、リッチメニュー1種の作成などが対象です。
ただし、オートメーションで設定できるメッセージはテキストタイプに限られます。
CRMオプションがおすすめな事業者
CRMオプションは、単に友だち数が多いアカウント向けの機能ではありません。
むしろ、お客様ごとに状況が違い、継続的なフォローが売上につながる事業と相性がよいサービスです。
たとえば、次のような業種では活用しやすいでしょう。
- 美容室・整体院・ジム・パーソナルジム
- 学習塾・スクール・習い事
- 不動産会社・住宅会社
- アパレル・雑貨・小売店
- 士業・コンサルタント・スクール運営
- 採用・人材紹介・求人サービス
- 宿泊施設・予約型サービス
特に、体験後のフォロー、初回来店後の再来店促進、見込み客の育成、誕生日特典、興味別の提案などを行いたい場合は、CRMオプションの強みを活かしやすくなります。
CRMオプションを急いで導入しなくてもよいケース
CRMオプションは便利ですが、すべてのアカウントに必要なわけではありません。
次のような場合は、先に通常のLINE公式アカウント運用を整える方が効果的です。
- 友だち追加の導線がほとんどない
- 月に数回しか配信していない
- どんな情報を取得したいのか決まっていない
- 配信内容が毎回ほぼ同じ
- 友だち追加後の案内やリッチメニューが整っていない
- 担当者がいなく、タグ管理や配信設計を続けられない
CRMは、情報を集めるだけでは成果につながりません。
最初に決めるべきなのは、誰に、どんな情報を聞き、どんな条件で、何を届けるかです。
設計なしで導入すると、顧客情報だけが増え、活用されない状態になりやすいでしょう。
CRMオプションを導入する前の注意点
- 認証済アカウントとビジネスマネージャーの接続が必要
- 友だち数が10万人以上のアカウントは申し込めない
- 一部のオプションと併用できない
認証済アカウントとビジネスマネージャーの接続が必要
CRMオプションを申し込むには、認証済のLINE公式アカウントであることに加え、認証済のビジネスマネージャーと接続されている必要があります。
また、申込者には管理者権限が必要です。
友だち数が10万人以上のアカウントは申し込めない
CRMオプションは、友だち数が10万人未満のアカウントが対象です。
大規模アカウントでは申し込みできないため、導入を検討している場合は早めに利用条件を確認しておきましょう。
一部のオプションと併用できない
レストランオプション、Beautyオプション、チャットProオプションを契約中の場合は、CRMオプションをそのまま申し込めません。
特にチャットProオプションを利用している場合は、一度解約が必要です。
解約予約をしても当月中は契約が継続するため、CRMオプションを申し込めるのは解約が完了した翌月1日以降になります。
パソコン版の管理画面でのみ利用できる
CRMオプションは、現時点ではWeb版のLINE Official Account Managerでのみ購入・利用できます。
スマホの管理アプリだけで完結させたい事業者には不向きです。
日常的な顧客管理や配信設計は、パソコンで行う前提で考えましょう。
顧客情報の取得目的と同意を明確にする
CRMオプションでは、フォームなどを通じて顧客情報を取得・活用できます。
ただし、情報の取得や利用に必要な同意は、CRMオプションを使う事業者側で適切に取得する必要があります。
必要以上の情報を集めず、利用目的をわかりやすく伝えたうえでフォームを設計することが重要です。
解約後はデータが削除される可能性がある
CRMオプションを解約すると、契約終了後のデータは一定期間を経て削除されます。
顧客データを今後も活用したい場合は、解約前に必要な情報の整理やバックアップ方針を確認しておきましょう。
CRMオプションの申し込み方法
CRMオプションは、LINE公式アカウントのWeb版管理画面から申し込みます。
手順は以下のとおりです。
- LINE Official Account Managerにログイン
- 設定を開く
- 利用と請求を選択
- 拡張オプションを選択
- CRMオプションを選択
- 初期サポートあり・なしを選んで申し込む
初期サポートなしの場合は、決済完了後、友だち情報のユーザーリストへの同期が完了すると利用できます。
初期サポートありの場合は、設定代行が完了してから利用開始となります。
まとめ
LINE公式アカウントのCRMオプションは、顧客情報の取得・管理・配信・自動フォローを、LINE公式アカウントの管理画面内でまとめて行いやすくする有料オプションです。
大切なのは、CRMオプションを導入することではなく、顧客情報をどのように集め、どのタイミングで、誰に、何を届けるかを設計することです。
全員に同じ情報を送り続けるLINE運用から抜け出し、お客様ごとの興味や状況に合わせたコミュニケーションを始めたい事業者にとって、CRMオプションは有力な選択肢になるでしょう。
P.S.
